滑川渓谷

石も水も風もすべてが生きている。包み込む光は暖かく優しい。

何万年もの時間を刻み込んだ岩肌は私たちに大切なことを教えてくれる。


滑川渓谷は皿ヶ嶺連峰県立自然公園の東端にあり、四千万年前の地質が今も残る東温市の秘境。近年はパワースポットとして人気が高い。遊歩道を進むと、塩嶽、前の滝、龍の尾、箕淵、熊の爪、犬くぐり、龍の腹、奥の滝、と不思議な名前の名所が続く。川床は巨大な礫岩の一枚岩「ナベラ」でできており、とても滑らか、侵食された両岸には奇岩がせり出している。

春の新緑、夏は子どもたちの水遊び場、秋の紅葉、冬の氷柱。四季おりおりの渓谷美を満喫できる。

遊歩道入り口

海上バスから徒歩5分ほどで遊歩道入り口につく

八重姫様の墓

建立時期不明。願をかけると腰痛

や婦人病が快方に向かうと言われ、現在も参拝者がある。墓が大きい

のでかなり身分が高い人だったと

言われている。

渓谷看板

入り口から3分ほどで到着
夏場はマムシがいるので、ご注意

塩嶽

塩嶽に祀られている塩竃神社は、侵食された岩の下にある。昭和14年、干ばつのため祠前で雨乞いをすると、広場に敷いていたむしろがびっしょり濡れるくらい水が滲み出てきたという。雨が降ったのはその4、5日後。今でも語り継がれるほど不思議な現象が起こったそうだ。

前の滝

中の滝



中の原

道標すぐそばの一本橋を渡ると、幅20m、長さ1㎞におよぶナベラ(ナメラ)が続く。ナベラは砂岩や泥岩の薄い層が侵食され、硬い礫岩(れきがん)層が侵食に耐えながら作り出した、傾斜の緩やかな一枚岩の川床。

ここから奥の滝まで奇岩が続く。

箕の淵

長い年月をかけて水や小石で削られてできた穴。子どもたちが飛び込んで遊ぶ天然のプール。深さは2m以上

熊の爪

熊の手の形をした岩の上を滝の水が流れると、まるで熊の爪のように見えるため「熊の爪」と名がついた

犬くぐり

昔は岩と岩の間が狭く、やっと犬がくぐられるくらいの広さだったため「犬くぐり」と名がついた。今は削られて広くなっている。

龍の腹

龍が横たわっているように見える迫力ある地層。

奥の滝

渓谷入口から標高約130m、落差10m。せり出した岩につつまれるように静かに滝が流れ落ちている。マイナスイオンたっぷり。滝の下をくぐったり、わき道に入り滝を上から見ることもできる。厳冬期には、奥の滝までの両岩に氷柱が並ぶ。滝は凍らない。

滝の下をくぐることが出来る

厳冬期には、奥の滝までの両岩に氷柱が並ぶ。滝は凍らない。